ブライダルチェックとは、結婚前に限らず、妊娠や出産を控えた女性を対象とした婦人科系の検診です。初期症状に気づきにくい婦人科系トラブルの早期発見と治療がメリットです。「ブライダル」という名称がついているため、結婚式前にすべき検査だと思われがちなのですが、結婚してからも、もちろん検査を受けることは出来ます。
ブライダルチェックの対象者は妊娠や出産を考えている人で、年齢や結婚の有無も関係ありません。
最近は妊娠年齢が高くなっていて、下記に含まれるような病気を合併している女性が見られます。妊娠中の検査や治療には制限がありますので、妊娠前にチェックしておくことをおすすめいたします。
検査費用 (下記の検査全てセット) |
¥22,000 |
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月経の周期や状態など、また既往症やアレルギー、感染症などをお伺いします。ご自身で気になることがあれば、遠慮無くご質問ください。
外陰部や腟内を視診します。また子宮や卵巣の状態を触診で調べます。
子宮筋腫や子宮内膜症などの子宮の病気や、卵巣腫瘍など卵巣の病気が無いか、また子宮や卵巣の発育状態などを調べます。
子宮頸がんは20~30歳代の女性に多く、HPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルスの感染が原因で、発症することが明らかになっています。そのためHPVウイルス感染の早期発見をすることで早めに対策を立てることができます。
血液型は間違って記憶している場合もありますから、きちんと調べておきましょう。手術時の輸血事故や血液型不適合による新生児溶血性疾患(母体の血液中の抗体が胎盤を通じて胎児に移行し、胎児の赤血球が破壊されることによって起こる病態)などを引き起こす危険もありますので、手術や妊娠前には欠かせない検査と言えます。
女性は自覚症状なく貧血になっていることが多いです。妊娠するとさらに貧血になり、分娩時にも出血することが予想されますので、妊娠前に貧血のない状態に整えていきましょう。
若年女性には、糖尿病になる方は滅多にいないですが、糖尿病と知らずに妊娠してしまうと、胎児奇形やご本人の妊娠中の合併症のリスクがあります。このため、妊娠前にチェックしておかれた方が良いでしょう。
甲状腺機能異常は女性に多く、妊娠を考える年代の女性にバセドウ病や橋本病といった甲状腺疾患がみられることがあり、妊娠前に治療が必要な場合もあります。甲状腺機能異常の有無を確認しておきましょう。
風疹ウイルスの免疫の有無を調べる検査です。妊娠初期に風疹にかかると、胎児に感染してしまう可能性があります。 重症になると、心臓奇形や聴力障害、白内障、発達障害などの先天性異常が起こることがあるため、赤ちゃんを望まれる方は、ぜひ一度検査を受けて確認しておきましょう。抗体価が低い場合は、妊娠前にワクチン接種をしていただくことをお勧めします。
一般に「おたふく風邪」として知られているムンプスウイルスの抗体を調べます。
梅毒はトリポネーマ・パリーダムという微生物による性感染症です。最近、潜在的な感染者が増えていると言われます。性交だけでなく、胎盤を通じて胎児に感染することもあるので、妊娠前には欠かせない検査になります。
B型肝炎ウイルスの感染を調べる検査です。分娩時の母子感染を防ぐために欠かせない検査と言えるでしょう。
C型肝炎ウイルスの感染を調べる検査です。慢性肝炎を発症し、肝硬変から肝臓がんへと移行する可能性がありますので、感染者は規則正しい生活を心がけるとともに、定期的な医学的管理を行うことが大切です。
HIV(エイズ)の感染の有無を調べる検査です。
卵巣に残された原始卵胞を反映し、卵巣の予備能を調べる検査です。加齢とともに卵巣機能は低下してきますが、個人差があり、卵巣手術の既往や子宮内膜症の有無によっても異なってきます。また、多嚢胞性卵巣症候群の場合、一般的に高値になります。
過去のクラミジア感染の既往を調べる検査です。陽性であれば、知らないうちに卵管の狭窄や閉塞など、不妊の原因が存在している可能性があります。
最近急増している性感染症で、子宮頸部のおりものの採取により感染の有無を調べます。主に性交により感染しますが、公衆トイレや公衆浴場など知らないうちに感染していることもあります。自覚症状はほとんどなく、無治療のまま感染が長期化すると、子宮頸管炎や卵管炎を引き起こして、不妊症や子宮外妊娠の原因になることがあります。また、分娩時に赤ちゃんが感染すると、結膜炎や咽頭炎、肺炎を起こすリスクがありますので、妊娠前に確認と治療されることをお勧めします。
おりものの採取により淋菌の有無を調べます。自覚症状として発熱や下腹部痛、おりものの異常などがみられます。
主に性交渉で感染し、まれに入浴から感染することがあります。自覚症状としておりものの量、色、匂いに異常がみられます。
カンジダはカビの一種(真菌症)で、症状として外陰部のかゆみ、白色、酒粕状のおりものの増加がみられます。体調不良(疲れ、風邪、不眠など)、抗生剤の内服や妊娠、月経前後、糖尿病などの影響で発症します。
妊娠初期にトキソプラズマ原虫に初めて感染すると、流産や早産のリスクが高まります。感染経路として、加熱の不十分な食肉やペットの糞便などがあり、妊娠後には注意が必要です。
成人T細胞白血病(ATL)を引き起こすウイルス抗体を調べます。九州、沖縄地方での発症が多いと言われます。感染経路は、性交渉と授乳です。母子感染を最小限に防ぐ方法が確立しているため、妊娠前に確認しておかれることをお勧めします。