プラタナス産婦人科クリニックながつた

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#06 2019/10/21毎日新聞「妊婦相手「不安ビジネス」の実像 誰が出生前診断を担うのか」について

毎日新聞より
https://mainichi.jp/articles/20191019/k00/00m/040/194000c

 このNIPTという検査が日本で導入されるとき、採血だけでできてしまうから無秩序に輸入されると大変なことになってしまう、だからどうにかしてちゃんと臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングをしてから検査できるようにしたいと、多くの先生方が苦心されているのを間近で見ていました。

 しかしやはり懸念されていたように、何の法規制もないために採血検査だけやるクリニックが雨後の筍のように出てきてしまいました。それも予想よりも、露骨な形で。何のカウンセリングも検査結果の説明もないまま行われています。

 受ける患者さん側の実害が表に出てこないのは、この検査を受けても大多数の方は陰性だからです。カウンセリングも何もしないので安くなるのは当たり前です。しかし…

 検査結果が陽性でした、どうしたらいいですか?→他所に行って説明して貰ってください、で放り出される妊婦さん達を前の職場で診てきました。

 この検査の是非を議論するつもりはありません。将来は染色体だけでなく、染色体の中の遺伝子がどうかの検査になります。(海外ではなってます。)この検査が必要かどうかは、ご夫婦で話し合って決めることです。私は勧めもしないし、止めることもしませんが、まずはご夫婦の判断の助けになるように、遺伝のこと、染色体のことなどを説明します。それが遺伝カウンセリングの始まりです。

 当院でNIPTができるようになったら、ご夫婦に遺伝のお話しから始めさせていただいてご相談に乗りたいと思っております。大事な、ご夫婦のお子さんのことです。よくよく、一緒に考えましょう。

 ちょうど本日10月21日、厚生労働省で「母体血を用いた出生前遺伝学的検査(NIPT)の調査等に関するワーキンググループ(第1回)」が行われました。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_07434.html

 当院で検査ができるようになるかどうかは、このワーキングループの結論によることになります。